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【R18】続続・妄想レクチャー【雪燐】

妄想レクチャーの続きです。

あいかわらずオナニーばっかしています。
つかやっと初合体した!長くかかりました。すみません。

R18なのでお気をつけを!
よろしければ続きからどぞー。
 それは珍しく帰りが遅くなった燐が、旧男子寮の自室の扉を開けようとした時のこと。
(・・・・・・あれ?)
 燐はノブにかけた手を一瞬止めた。部屋の中から何か音が聞える。それもただの物音ではなく、扉をこのまま開けてはいけないような不穏な雰囲気だ。
燐は扉に耳を押し付けた。その中から聞えたのは――
(これって、まさか)
 息を潜めてじっと聞き入ると、部屋の中から普段とは違う荒く不規則な息遣いが聞えてくる。燐自身も身に覚えのある音。自分がどんな時にそんな息遣いをするかに思い当たり、燐はかっと顔を赤らめた。
(うわー、ちょっと待て)
 部屋の中にいるのは、当然弟の雪男でしかありえない。で、あるとするならば、この声の主は実の弟のわけで。
(雪男がオナニーしてるっ)
 確かに今日は帰りが遅くなると雪男に伝えたのは燐の方だった。志摩たちと塾の課題を仕上げてしまうから、もしかしたら日をまたいでしまうかも、と言ったのも自分だ。だから、雪男はきっと安心しきって、一人の夜を過ごしていたのだとは思うが。
(だからって、タイミングってもんがあるだろ!)
 いや、燐が宣言どおりもっと遅くまで帰らなければこんなことにはならなかったのだ。勝呂や三輪の活躍により思ったよりもずっと早く課題が終了してしまって、燐は雪男を驚かせてやろうと思って連絡もせずに帰途についたのだった。その結果がこれ。
(どうしよう)
 弟の自慰の場面に遭遇するなんて初めてのことで、燐はどうしていいのかわからず途方にくれた。
(よう、お盛んだな!って言って扉開けてみるか・・・・・・?)
 お互い十五歳の青春真っ盛りのお年頃だ。オナニーのひとつやふたつやってたっておかしくないのだし、一緒の部屋に住んでいるのならばこういうのがかち合ったって仕方がない。
(でもなぁ、そういったところで、あいつ、平然としてそうだし)
 ついこの間もオナニーについて話し合いをしたばかりだ。その時の雪男はまったく冷静沈着で燐は大変居たたまれない気分になったのだ。
 今回も同じように対応されたら、居たたまれないどころじゃすまないような気がする。
(待とう。終るまで、待とう)
 雪男がめちゃめちゃな遅漏でない限りはたいした時間じゃないはずだ。
 燐は扉に背をもたれさせ、ずるずると床に座り込んだ。
 部屋の中からは以前、雪男の息遣いが聞えてくる。燐は膝を抱えて、そこに血が上った頭を突っ込んだ。
 なぜだか知らないが、心臓がばくばくと音を立てている。知らず知らず、雪男の息遣いに合わせるように呼吸が荒くなる。体温も上がってきているようだ。
(も・・・っ・・・なんだよ、これっ)
 下半身がうずきだして、燐は身をよじった。明らかに身体の方は雪男の息遣いに煽られて感じ始めている。
(だめ、だめ、だめ)
 燐は自分の下半身に向かって、言い聞かせる。
(だって、おかしいだろ?弟のオナニーの声聞いて興奮するなんて)
 そりゃ、はっきりいって変態だ。
 いや、これまでも、弟に妄想をレクチャーしてやってその最中に弟の手の中で果ててみたり、その弟の手を思い出しながらオナニーをしてみたりしてきたわけだが、さすがの燐も弟の生オナニー場面をおかずにするなんて、そんな非常識なことはできなかった。
(でも・・・・・・でもっ)
 耳から入る刺激は途方もなく妄想をかきたてる。雪男がどんな顔をして、自分のものをしごいているのかとか、そんなことを考えただけで頭の中が沸騰しそうになる。
(あいつは俺がオナニーする時に雪男のこと思い出してやっていいって言ってたけど・・・・・・)
 そして、自分の時も燐を考えてやらせてもらうといっていたけど、どこかで燐はあの品行方正な雪男はそういった性的なものからは無縁のような気がしていたのだ。
 けれど、こうやって本当に雪男が自慰をしているところを目の当たりにすると、それだけで燐は居ても立ってもいられないような気分になるのだった。
(なぁ、雪男、おまえ、今何考えながらしてんの)
 下半身にじわりと熱が集まる。
(俺のこと・・・・・・考えながら、してんの・・・か?)
 そうだったら、いいのに。
 燐は我慢できなくなって、手を下着の中に忍ばせた。そこはすでにどろりとしたもので濡れていて燐は顔から火が噴き出そうになったが、それでも目の前の欲求が勝って軽く勃ちあがったものをしごいた。
(んっ・・・・・・)
 唇を噛み締め、漏れでそうになる声をこらえる。鼻から抜ける息の音が、扉の向こうの息遣いと重なり合って燐の耳を犯す。
(やっ・・・べぇ・・・すっげ、きもちいい)
雪男に実際に触ってもらった時だってすごく興奮したが、あの時は全然雪男は普通で燐だけが喘いでいたようなものだった。
けれど、今はまるで雪男と一緒に昇りつめていっているような一体感がある。それはただものを刺激をして快感を得るだけとは違う興奮があった。
(んっ・・・んっ)
 手を激しく動かして絶頂を目指す。扉の向こうから聞えてくる息遣いもわずかだが荒々しさを増した。燐はそれに合わせるように、ぎゅっとペニスを握り自分の弱いところをわざといじった。
(あっ)
 手の中にどぱっと粘液が放たれる。一瞬の放心状態の後、はーっとため息をついて燐は扉に頭を押し付けた。
 部屋の中はしんとしていて、先ほど聞えてきていた音もなくなっている。雪男もいったのかな?と思ってしばし余韻に浸っていたら、突然頭の上の方でがちゃりという音が響いた。
「うおっ」
 そして、そのまま扉が引かれたので、そこへ全体重をかけて寄りかかっていた燐は部屋の中へごろりと転がった。
「ちょ、兄さん!?」
「お、おう」
 頭の上から今度は雪男の驚いた声が降ってくる。こんな場合にどういう対応をするべきかの最善策は燐のストックには残念ながらなかったので、燐は仕方なく床から上を見上げて、へらりと笑った。
「兄さん、まさか、ずっと扉の前にいたの・・・・・・?」
「ま、まぁな」
 燐がうなずくと、雪男は額に手を当てて、深くため息をついた。
「じゃぁ・・・・・・さっきの、僕の、聞いてたんだ」
「うー・・・・・・うん」
 なんだか、自分がひどく悪いことをした気分になって燐は目を逸らした。もしも自分だったら、恥ずかしくてたまらないだろうなと思ったからだ。ごめん、雪男と深く反省してちらりと雪男をみると、(燐の頭の中では)恥ずかしがっているはずの雪男は腕を組んでどこか楽しそうな顔で燐を見下ろしていた。
「それで、その格好は何?」
「えっ?」
 雪男のことを考えていてすっかり自分のことを忘れていた燐は指摘されて自分の姿を改めて見直した。
 ベルトははずされファスナーを下ろした状態で下着がはみ出ている。手は先ほど吐き出したものでまだ汚れていた。そんな乱れた格好で床に転がっている。
「こ、これはっ」
 燐は慌てて立ち上がり、言い訳しようと雪男の顔を正面から見た。しかし、弟の顔を間近にすると、先ほどの荒い息遣いが蘇ってきて、かっと顔を赤らめる。
「もしかして・・・・・・兄さんも、してたの?」
「ち、ちがっ」
「違わなくないよね、だって」
 雪男は慌てる燐の身体に顔を寄せ、すんと音を立てて鼻を鳴らした。
「ここから、兄さんの匂い、するよ」
「ゆきおっ!」
 両手で顔を覆いたい気分になったが、手は汚れているのでそれもままならない。うーっとうなって燐はだって、と言い訳じみた言葉をこぼしつつ雪男を見た。
「だって、扉から」
「扉から?」
「その・・・おまえの息の音きこえてきたからっ」
「それで?」
「そ、それで、おまえの、聞いてたら、だんだん、身体がへんになってっ」
 自分は何をいっているんだろう、と燐は混乱しながら雪男に誘導されるまま言葉を続ける。
「うずうずして、あつくなってくるから、だから、やったんだよ!」
 やけっぱちな気分になって、燐は雪男に怒鳴る。雪男はそんな燐を口元を横に引きながら、ふーんと言いながら眺めた。
「僕のやってる時の息づかい聞いてたら興奮してきて、兄さんもやっちゃったってこと?」
「そうだよ、悪いか!」
 すでに燐は泣きそうである。雪男をおかずにやっていたなんてことがバラされて恥ずかしいやらなんやらで、頭がパンクしそうだった。
「別に、悪くないよ」
「えっ?」
「兄さんは悪くない」
 雪男はにこりと笑って燐の汚れた手を取ると、近くのティッシュペーパーで燐の手を拭ってくれた。
 燐はぽかんとしたまま、手を清められるのを見て、それから雪男の顔をまじまじと眺めた。
「いけなく、ないのか?」
「いけなくなんてないよ。だって僕の声で兄さんはその気になって、やりたくなったからやった。ごく自然のことでしょ?」
「そ、そうかな・・・・・・」
「そうだよ。おかしくないよ」
 雪男に力強くうなずかれて、燐の顔がぱっと明るくなる。
「そうか、そうだよな!目の前でやってるのみたら、自分だってってなるよな!」
 燐は先ほど自分が感じていた罪悪感やら羞恥心やらが一気に吹き飛んで、満面の笑みを浮かべた。それを雪男も笑顔でみつめている。燐はいい気分になってきて、今だったら何でも聞けそうだと思い、ついつい聞いてしまった。
「なぁ、雪男。おまえさぁ、さっき何考えながらやってたの」
「えっ?なに考えてたって・・・・・・」
 まさか兄からそんな質問は出てくるとは思わなかったのか、雪男は身を引いて口篭もる。
「もしかしてさぁ、兄ちゃんのこと考えながらしてた?」
「に、兄さん、なんでそんなこと」
 わずかに雪男がうろたえる。燐は先ほどと立場が逆転したことに楽しくなってきて、にやにやと笑いながら雪男に尋ねた。
「だってさぁ、この間『僕も兄さんのこと考えながらやらせてもらう』って言ってたじゃん?本当にそうなのかなぁって」
 燐はどうなんだと雪男につめよる。雪男は困ったような顔をして燐に尋ね返した。
「・・・・・・そうだったら、どうするんだよ」
「ん、んー?どうしよっかなー」
 燐はまだ立場優勢の気分満々である。いつも動じず、いい子ちゃんな弟だって、たまには困ったり恥ずかしがればいいんだ、と思う。
そして、雪男を困らせてやれそうなこんな貴重な機会を逃す手はないと思い、燐は雪男に提案をした。
「そうだ。今度はおまえの考えてたその妄想を俺にレクチャーしてみろよ。ほら、前におれがおまえにレクチャーしてやっただろ?」
 本当はレクチャーしてやったというか、やってもらったというか微妙なところなのだが、その真実はおいておいて、燐は自身満々に言った。
「そんなことやって、本当にいいの?」
「いいぜ!それで兄ちゃんがおまえの妄想判定してやるから!」
 どん、と胸を叩いた燐を雪男はじっと見下ろして、そう?とだけつぶやく。
 その時、眼鏡の奥できらりと光った妖しげな輝きに当然燐は気づいていなかった。






「・・・・・・雪男」
「ん?何?」
「なぁ・・・・・・これ、本当に、おまえの妄想なの」
 数分前に雪男の妄想を実践してみろといった燐は、現在、全裸でベッドに横たわっている。
 全裸で横たわっているだけではなく、その両手首はやわらかい紐のようなもので縛られてベッドの柵にくくりつけられている。
 その作業をされている間、燐は戸惑いながらも、まぁ雪男の妄想のためなら、と思い、されるがまま大人しくしていたのだが。
「うん、これが僕の妄想、のまだ序盤」
 雪男がにこりと笑ってそんなこと言うので、燐は顔を引きつらせた。
「あ、大丈夫だよ、兄さん。そんなにひどいことはしないつもり」
 ひどいことってなんだ。おまえ、日頃妄想の中で兄さんにどんなひどいことしてるんだ。
 と、頭の中で思ったが、口に出しては言わなかった。始めに聞かされてそれをやられるのを待つのと、何も知らないでやられるのとどっちがいいかを考えた結果だ。
「はじめは・・・・・・そうだな。この間兄さんに教えてもらったこと、やってみようか」
 雪男は燐の素肌に指を滑らせる。『雪男』というだけに、雪男の体温は低く、その指先はひやりとしていて、燐はびくりと身体をすくませてしまう。
「大丈夫、大丈夫」
 呪文をかけるように雪男が優しく言う。それに絆されるように燐が力を抜くと、雪男は胸元の突起をその指で押し潰したりつねったりして、刺激をした。
「あっ」
 以前、雪男にそこをいじられて以来、自分でもオナニーの時に散々いじくり回していたので、すっかりそこは燐の性感帯となっている。
「ゆ、きおっ、そこっ」
「うん、兄さん、ここ好きなんでしょ?」
 そういって、雪男は指でいじっているのとは反対の方を口に含む。初めて雪男に舐められた時は物足りなくて仕方がなかったが、今回は十分だといいたいほど舌で舐めしゃぶり、歯を立ててくる。
「あっ、あっ、あっ」
 自然と声が漏れてしまう。恥ずかしい、と思う間もないぐらい立て続けに愛撫をされて、燐は夢中で声を上げた。
「ね、兄さん。ここはどう?」
 雪男は積極的に燐の感じやすそうなところを触ってくる。大腿部の内側を撫ぜさすり、びくりと腰を揺らすと、今度は足を抱え上げ、つっと舌でそこを舐め上げる。
「やっ、この格好、やっ!」
 大きく足を開かされて、局所が丸見えだ。雪男の目の前には先ほど一回自分で出したはずなのに、ペニスが物欲しげに勃ち上がっている。
「兄さんの、すごいね・・・・・・とろとろだ」
 雪男の濡れた低音に、心臓がばくばくと跳ね上がる。ペニスはずきずきと脈を打っていて、先走りの液がそこから流れ出ている。
「これ、舐めたらどうなると思う?」
 雪男が燐のペニスを手で支え、股の間から燐の方を見る。燐は顔を歪めて、顔を振った。
「だめ・・・・・・だめ、そんなことされたら・・・・・・」
(きっと、良すぎて、死んじまう)
 燐の制止も聞かず、雪男はぱくりと燐のものを咥えた。
「ああっ」
 全身に痺れるような快感が広がって、燐は両手を縛られ不自由になった身体を波立たせた。
 じゅるじゅると音を立てて雪男がペニスを舐める。燐は激しく頭を振って、その快感をどこかに逃がそうと必死になる。けれど、雪男はがっちりと燐の腰を固定し、逃がしてくれない。
「いやぁっ」
 快感が頂点にきて、燐はどっと欲望を吐き出した。それを雪男はあっさりと飲み下して、顔を上げるとにこりと笑う。
「・・・・・・なんで、笑ってんだよぉ、ばか」
「だって、兄さんの飲むなんて、妄想の中だけだったのに。まさか本当にするなんてね」
「・・・・・・ばか」
 開放感の後の気だるさと、本当に嬉しそうにしている弟への呆気とで燐は小さくため息をつく。
 そんな燐の唇を、伸び上がってきた雪男がちゅっと吸う。何度も繰り返して吸われるので、我慢ができなくて吸い返すと、今度は舌をいれてきた。
「うっ・・・んっ、んっ」
 だらだらと唾液が口の横からこぼれてしまうような深い口付けだ。先ほどの自分の精液の味がうっすら残っていてわずかに眉をしかめるものの、それにさえもなんだか興奮をかき立てられる。
「ねぇ、兄さん」
 髪を雪男の長い指で梳かれて、猫になったような気分でいると、雪男が耳元にそっと囁く。
「僕の妄想、どこまでやってもいいのかな?」
 そこにわずかな戸惑いが含まれているのを感じ、燐は閉じていた瞳をゆっくりと開けた。
 燐と同じように興奮で紅潮した雪男の顔。だが、そこには確かに困惑も浮かんでいる。
「どこまでって・・・・・・」
 燐は問われて、一体自分達はどこまで行くのだろう、と思った。
 兄弟で、互いのことを妄想し合って、オナニーをして、そして快感を得て、それでは飽き足らずとうとうこうやって本当に手を伸ばした。
 何度だって、こんなことおかしいんじゃないのかとか、後ろめたい思いとかそんな感情を抱いた。
 けれど、結局は止めようもなく、ここまで来てしまったのだ。
「どこまでも・・・・・・どこまでもやればいいじゃねーか」
 燐は吐き出すようにいった。
「おまえが妄想してるの、ぜんぶ、やれよ」
(だって、俺の妄想だって、雪男に一度も止められたことなんてない)
 だから、燐も止めるつもりはなかった。全部欲しかったのは、本当は自分の方かもしれないのだ。
「うん、わかった」
 雪男は燐の言うことが理解できたのか、安心したように微笑んだ。
 そして、キスを再開する。
「ゆ・・・き・・・・・・」
 優しいキスだ。妄想の中で、こんな風に俺は雪男にやさしくされていたのかな、と考えたら、雪男の妄想の自分に嫉妬してしまいそうだった。
 雪男はキスをしながら、燐の下半身に手を伸ばす。そして、後ろのすぼまりをなだめるように何度も撫ぜると、指を差し入れた。
「あっ・・・・・・」
 雪男が何をしたいかはもう燐にもわかっていたので、なるべく協力をしようと力を抜く。
 唾液とその他の液を混ぜ合わせたもので雪男はすべりをよくすると、丁寧に後孔を広げていく。
「せ・・・まいね」
 雪男の汗がぽたぽたと燐の胸に落ちてきた。燐はそれを舐めとりたいという衝動駆られたが、両手はつながれたままで自由がきかず、思うようにならない。その歯がゆさがまた、快感を高めるのか、三本の指が出入りする後孔もじわじわと熱を持って次の刺激を待っていた。
「兄さん・・・・・・いい?」
 雪男がじっと燐を見下ろしてくる。燐はこくこくと首を縦に振ると、雪男が体重をかけてぐいっと腰を進めてきた。
「あっ」
 広げられる痛みに耐える。ぎゅっと眉を寄せると、雪男がそこに優しく口づけてくる。
 瞼を開けると困ったような雪男の顔があるので、燐は必死に笑って見せた。
 きっと雪男の妄想の中の燐はこんな風な顔はしないに違いない。できるだけ、雪男の妄想のような燐でいたかった。
「兄さん、声、出して」
「うっ・・・・・・ん、あ、あっ」
 はっと息を吐き、喘ぎ声を上げたら身体から力が抜けた。その瞬間、雪男がさらに深く入り込む。
「あ、あ、あ」
 中を揺すられて、燐はがくがくと身体を揺らした。ただ、熱い、と感じた。下半身が猛烈な熱を発している。なぜだか、ひどく切ない気持ちになって燐は涙を流した。ぽろぽろと顔を濡らしながら、雪男の名前を呼びつづけた。
「ゆき・・・・・・ゆき、ゆき」
「・・・兄さん」
 雪男の顔が苦痛なのか快感なのか、それとも両方なのかわからないけれど、歪んでいて、燐は雪男も同じだ、と思って微笑んだ。
(この気持ち、なんだろう)
 頭の中で妄想をして、オナニーをする時には感じなかった気持ち。
(すっげー、せつない)
 泣きたくなる。実際にぼろぼろ涙が出てくる。でも、悲しいというのとは違う。
(雪男のことが、いとしい)
 そうだ、いとしいって気持ちだ、と燐は納得がいって、雪男をみつめた。
「兄さん・・・・・・」
 燐を見下ろしてくる雪男も、燐のことをいとしいと言ってくる。そうだよな、俺達同じなんだよな、と思って燐はゆきお、ともう一度呼んだ。
 お互いの絶頂は近い。燐は雪男に揺さぶられながら、もうこれからはお互いに妄想する必要なんかなくなったんだな、と思った。
 だって、妄想をする前に、目の前の相手に手をのばせばいいのだから。

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プロフィール

HN:
如月 ちょこ
性別:
女性
自己紹介:
■ 青の祓魔師二次創作
 テキストサイト。腐向け。
■ 雪燐中心です。
   藤メフィもあります。
■ 書店委託開始しました。
   詳細はofflineで。

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