悪魔との契約【R18】
- 2011/05/29 (Sun)
- 雪燐小説 |
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雪燐お仕置きネタ。雪男がSっこ。ご注意を。
燐に「お仕置きしてください」っていわせたいだけのために書いた。それもどうなんだろうか。
エロが書きたいんですけども、だいたいいつもエロまでの導入が長すぎて本番に至れないんですよ。
みなさんはどうなんですかねー。本番がお好きですか。それとも本番前がお好きですか。どちらが読みたいですか。
燐に「お仕置きしてください」っていわせたいだけのために書いた。それもどうなんだろうか。
エロが書きたいんですけども、だいたいいつもエロまでの導入が長すぎて本番に至れないんですよ。
みなさんはどうなんですかねー。本番がお好きですか。それとも本番前がお好きですか。どちらが読みたいですか。
「兄さん、これ、どういうこと?」
ある日、授業を終えて部屋に戻ってきたら、青筋たてて仁王立ちしていた雪男に携帯電話のディスプレイをつきつけられた。
「あー!これ、どうしたんだよ!」
ディスプレイに写ってるのは、盛大に顔をゆがめた勝呂が俺のほっぺにチューをしている写真だ。
「志摩ぁ、あいつ、写メりやがった……」
その時のシチュエーションを思い出し、俺はうわぁと声を上げた。
ああ、嫌なこと思い出しちまったと俺がいらいらしはじめたら隣でいらいらどころではない顔した雪男に首根っこを掴まれた。
「だから、どういうことだってきいてんだよ」
雪男の眼鏡がぎらりと光る。俺は内心ひぃと悲鳴を上げて、あわてて弁解をした。
「ちがうんだって!勝呂たちと賭けをしてさぁ、運わるく負けちまってその罰ゲームっていうか、悪ふざけっていうか……みんな、ちょっと酔ってたんだよ、しかたねーだろ」
「酔ってた?酒飲んだの?未成年でしょ?!」
「それも、なんていうか、まあなりゆきっていうか、たまたまそこにあったからっていうか……」
まあ、たまたまあったふりをして志摩がもってきたのだけども。
「いつ?」
尚も射殺しそうな目で睨みつけながら雪男が聞いてくる。俺は小さくなってぼそぼそとつぶやいた。
「お、おまえが任務で出張してたとき……その、ここで宴会しようって話になって」
「へぇ、僕が仕事で大変な思いをしてるときに、宴会ね。そうか、それはずいぶん楽しかっただろうね」
にこり、と雪男が笑う。それに合わせて俺もへらりと笑うとその頬を思いっきりつねられた。
「いてぇぇ!」
「って、そんなこというわけないだろ」
雪男は再びあの凶悪な顔に戻って、猫をつかむように襟元をひっぱってずるずる引きずるとベッドの上に乱暴に放り投げた。ベッドがどすん、と音を立てて揺れる。
「雪男、てめえ!」
兄ちゃんになんてことすんだ!兄貴への敬いというものはないのか!
という思いをこめて、雪男の名前を呼んだつもりだったんだが、
「なに?」
と睨まれて、俺は途端にしゅんと縮こまった。
「兄さん、出かけるときに僕と約束したよね。僕がいなくてもちゃんとする。悪さはしない。いい子にしてるって」
雪男はベッドに倒れこんだ俺の上に乗り上げて、ゆっくりと眼鏡を押し上げる。俺は恐怖で冷や汗がたらりと落ちてくるのを感じながら、顔に精一杯の笑顔を張り付かせて答えた。
「ちゃんとしてたって!炎も出さなかったし、授業もちゃんと受けたし、おまえがおいていった課題も全部やったんだぞ!」
そうだ、めったにないぐらいがんばったんだ。逆にほめてもらったっていいぐらいだ!
「じゃあ、これはなんなの」
といって、再び携帯のディスプレイを見せられる。今度はよだれを出して寝ている俺のほっぺに志摩がチューをかましているところだった。
「こ、これは知らねえって!俺のせいじゃないって!」
きっと酔っぱらって眠ってしまった時にいたずらで撮られたものだろう。
あああ、志摩!てめぇ余分なことしやがって!
俺はなんとか話をそらそうと、あわてて雪男に尋ねる。
「そもそもなんでこんな写メおまえの携帯に入ってんだよ」
「さあ、どうしてでしょう……?」
にやりと笑った雪男にさーっと血の気が引く。
これは、志摩、体育館の裏で殺されたかもしんねぇな。
だが、雪男はそんなことどうでもいい、というように、俺の顔の両側に手をついて顔を近づけてくる。
「まあ、やってしまったことはしょうがないよ、兄さん。でも約束を破ったんだから、当然罰は必要だよね」
「罰……?」
「そ、お仕置き」
俺の頭に廊下に立たされる姿がぼんやり浮かぶ。小学校のころ、よく立たされたよなぁ。あ、あとお尻ぺんぺん。親父にやられた。それ以外だったら……庭の木に一晩くくりつけられるとか?昔、何かの漫画で読んだような読まなかったような。
「き、木にしばりつけるのだけは、やめてくれっ!」
「……どんな想像してるんだよ。そんなことしないよ。罰はね、もう二度とこんなことしたくなくなるようなものじゃなきゃ意味がないんだ」
眼鏡の奥の瞳を光らせてそんな風に言われたら、兄さんどう反応していいのかわからないよ。
だいだい、二度悪さをしたくなくなるようなお仕置きって、いったいなんですか。
今から自分に襲いかかる不幸を思って、俺は頭がくらくらしてくる。
「さ、兄さん。覚悟を決めて。お仕置きしてくださいっていって」
「な、なんで俺がそんなこといわなきゃなんねぇんだよ!」
恐怖に身をすくませて俺が怒鳴ると雪男の周囲の空気が一度下がった。途端、息をするのが少し苦しくなったような気がした。酸素濃度も下げられるってどんな能力だ、雪男。
どうやら本格的に雪男は怒っているらしい。雪男をキレさしたら、ごまかすか、放っておくかどちらかしかなくて、だいたいどちらにしても八割の確率でさらにキレまくられる。それこそ恐怖だ。
「――兄さん、言って」
最後の一押し、というか最後通告というように放たれた言葉に俺はがくりと頭を垂れた。
「……お仕置き、してください」
「……なんで、こんなことなってんだよ……」
もう、俺は泣きたい気分だった。いや実際ほとんど泣いているといってもいい状態だった。
はじめはきっと、説教か折檻なんだろうなぁと怯えていたわけだが、次第に方向性が違うということがバカな俺にもわかってきた。雪男はどうやら、『そういうお仕置き』をしようとしているらしい。
「……んぅ…あっ……あっ」
服は当の昔に脱がされた。
そして、俺を真っ裸にして(そして、自分は服を着たまま)雪男は実にいろんなことを俺にしかけてくる。
「これ……なん…の、おしおき……なんだよぉ」
声がもう、自分のものではないようだ。甘く、ねだるような自分の声にウソだろ、頭の片隅で思うが、次に口から漏れるのはもっと吐息の混じった喘ぎ声に近い声だった。
「ゆ……きぃお……そこ、だめ……あっ」
今は雪男に胸の突起をしゃぶられている。この場合、舐められているのではなく、まさしくしゃぶられているという表現が正しい。
わざとなのか、そうでないのか知らないけど、雪男が胸元に吸い付くたびに、そこがちゅぱちゅぱと音を立てる。その熱心さは赤ん坊が母親の乳を飲む姿を彷彿とさせたが、赤ん坊はそんな音をさせて飲まない。
ちなみに、俺、おまえの母親じゃねーし。
「いやだ……って……なぁ……もぉ」
突起をいじられているだけで、ずきずきと下半身が疼いた。何かにすりつけたくて、シーツの上で腰をもぞもぞと動かす。それでも雪男が顔を上げないので、俺は無意識に尻尾で雪男の頭をぺちぺちと叩いた。さすがにうっとうしかったのか、行為をいったん止めた雪男は俺を見下ろして溜息をついた。
「本当に兄さんは我慢がきかないなぁ。だから悪さしちゃうんだよ。我慢する練習しなきゃ」
「こん…なんっで…我慢の、練習なんてしたくねぇ……よぉ」
「なにいってるの、これこそ一番の我慢の練習じゃない」
そういって、雪男はすっと手を下半身に滑らせて、俺の性器をぎゅっと握った。
「んぁ…あっ」
「ほら、これも。すごいよね、もうとろっとろ。触ってないのにこんなに勃たせちゃって。ねえ、触らずにイケるかためしてみる?」
雪男は俺のを握っていた手をぱっと放して、その手を再び胸元に戻した。きゅっと痛いくらいに乳首をつままれて、俺は鋭い悲鳴を上げた。
「い…やだぁ…ゆ、きおぉ……そこ、ちがっ」
欲しかった刺激が失われて、勃起した性器が尚のこと張り詰める。敏感になった身体は胸元の刺激だけでたまらないほどの快楽を感じた。でも、昇りつめるには何かが足りない。
「ゆきおぉ……あっ……ゆきおっ」
自分で触ってこすってイッてしまうことだってできたのだけど、そんなことをしたらこれはお仕置きにはならないわけだし、きっと雪男は許してくれないだろうと思ったから、ぐっとそれを我慢した。
そうすると、もう、この状況を脱するためには雪男にお願いするしかなくて、兄貴の威厳とかプライドとか、日頃俺が必死に守ろうとしているものをかなぐり捨てて雪男の名前を呼ぶしかない。
「兄さん、いつもそうだと、ホントかわいいのに」
雪男はちょっと満足そうに笑って、俺の頬にちゅっとキスをした。
でも、俺が欲しいのはそんなもんじゃない。もう、身体は限界で、イかせてくれるなら、悪魔とでも契約してもいい気分だった。
「ゆきお…なぁ…もう…はや……くっ」
「兄さん、もっとちゃんと言って。ちゃんとお願いしてくれなきゃわかんないよ」
「さわって……俺の……さわって…」
「どこ、さわってほしいの?」
「俺の……した……これ、さわって。勃ってるの、さわってくれよぉ」
もう、自分が何をいってるのかよくわからないくらい、頭の中はとろとろに溶けていて、正気だったら言えないような言葉がするすると出てくる。
「もう、しかたないな。今日だけだよ」
雪男がひそやかな笑い声と共に、望みのものをくれる。
「あっ……あっ……」
「どう、兄さん?気持ちいい?」
ぎゅ、ぎゅっと強弱をつけてしごきあげる。感じるところをさぐりながら、時折指先で裏の筋やくびれをこする。そのたびに俺は雪男の腕にすがりつきながら声を上げた。
「いっ……きもち……いいっ……」
「そ、よかった」
先ほどとは違い雪男は俺に我慢をさせるつもりがないのか、ちゃんとイかせるために手を激しく動かしてくれる。
俺はそれがうれしくて、涙を流して首を振る。雪男はやっぱりやさしい。お仕置きといっても最後は俺のいいようにしてくれる。
「いっ……いくっ……ゆ…きっ」
「いいよ、イって」
「んっ……ああああっ」
雪男に許可をもらって、雪男の手の中に白濁をまきちらす。頭がまっしろになって、びくびくと身体が痙攣する。その俺を、雪男が愛おしそうにぎゅっと抱きしめてくれる。
「はぁ……」
絶頂の後の余韻をひきずって、俺は吐息を漏らす。そんな俺の頭を雪男がやさしく撫ぜる。
俺はしばし、非常な満足感をもって雪男の手に身を委ねていた。
なんだか終わってしまうとお仕置きだったはずだったのに、すごく気持ちよかっただけのような。
「はい、兄さん。ご苦労さま。お仕置きはおしまい」
しばらくして、ぱっと雪男が手を放す。
「おしまい……なのか?」
俺はなんだか、ちょっと物足りないような、安心したような気分になって、中途半端な返答をした。
「うん。お仕置きはね」
雪男は意味ありげに笑って、すくっと立ち上がる。何事かと思って、俺が唖然とそれを見守っていると、雪男はいそいそと自らの服を脱ぎ始めた。
「じゃあ、これからはご褒美の時間だよ」
服をすべて脱ぎ終わった後、雪男はベッドに無防備に寝転がった俺に向かって、にこりと笑ってそういったのだった。
***
これからが、本当のおしおきですよ!
ある日、授業を終えて部屋に戻ってきたら、青筋たてて仁王立ちしていた雪男に携帯電話のディスプレイをつきつけられた。
「あー!これ、どうしたんだよ!」
ディスプレイに写ってるのは、盛大に顔をゆがめた勝呂が俺のほっぺにチューをしている写真だ。
「志摩ぁ、あいつ、写メりやがった……」
その時のシチュエーションを思い出し、俺はうわぁと声を上げた。
ああ、嫌なこと思い出しちまったと俺がいらいらしはじめたら隣でいらいらどころではない顔した雪男に首根っこを掴まれた。
「だから、どういうことだってきいてんだよ」
雪男の眼鏡がぎらりと光る。俺は内心ひぃと悲鳴を上げて、あわてて弁解をした。
「ちがうんだって!勝呂たちと賭けをしてさぁ、運わるく負けちまってその罰ゲームっていうか、悪ふざけっていうか……みんな、ちょっと酔ってたんだよ、しかたねーだろ」
「酔ってた?酒飲んだの?未成年でしょ?!」
「それも、なんていうか、まあなりゆきっていうか、たまたまそこにあったからっていうか……」
まあ、たまたまあったふりをして志摩がもってきたのだけども。
「いつ?」
尚も射殺しそうな目で睨みつけながら雪男が聞いてくる。俺は小さくなってぼそぼそとつぶやいた。
「お、おまえが任務で出張してたとき……その、ここで宴会しようって話になって」
「へぇ、僕が仕事で大変な思いをしてるときに、宴会ね。そうか、それはずいぶん楽しかっただろうね」
にこり、と雪男が笑う。それに合わせて俺もへらりと笑うとその頬を思いっきりつねられた。
「いてぇぇ!」
「って、そんなこというわけないだろ」
雪男は再びあの凶悪な顔に戻って、猫をつかむように襟元をひっぱってずるずる引きずるとベッドの上に乱暴に放り投げた。ベッドがどすん、と音を立てて揺れる。
「雪男、てめえ!」
兄ちゃんになんてことすんだ!兄貴への敬いというものはないのか!
という思いをこめて、雪男の名前を呼んだつもりだったんだが、
「なに?」
と睨まれて、俺は途端にしゅんと縮こまった。
「兄さん、出かけるときに僕と約束したよね。僕がいなくてもちゃんとする。悪さはしない。いい子にしてるって」
雪男はベッドに倒れこんだ俺の上に乗り上げて、ゆっくりと眼鏡を押し上げる。俺は恐怖で冷や汗がたらりと落ちてくるのを感じながら、顔に精一杯の笑顔を張り付かせて答えた。
「ちゃんとしてたって!炎も出さなかったし、授業もちゃんと受けたし、おまえがおいていった課題も全部やったんだぞ!」
そうだ、めったにないぐらいがんばったんだ。逆にほめてもらったっていいぐらいだ!
「じゃあ、これはなんなの」
といって、再び携帯のディスプレイを見せられる。今度はよだれを出して寝ている俺のほっぺに志摩がチューをかましているところだった。
「こ、これは知らねえって!俺のせいじゃないって!」
きっと酔っぱらって眠ってしまった時にいたずらで撮られたものだろう。
あああ、志摩!てめぇ余分なことしやがって!
俺はなんとか話をそらそうと、あわてて雪男に尋ねる。
「そもそもなんでこんな写メおまえの携帯に入ってんだよ」
「さあ、どうしてでしょう……?」
にやりと笑った雪男にさーっと血の気が引く。
これは、志摩、体育館の裏で殺されたかもしんねぇな。
だが、雪男はそんなことどうでもいい、というように、俺の顔の両側に手をついて顔を近づけてくる。
「まあ、やってしまったことはしょうがないよ、兄さん。でも約束を破ったんだから、当然罰は必要だよね」
「罰……?」
「そ、お仕置き」
俺の頭に廊下に立たされる姿がぼんやり浮かぶ。小学校のころ、よく立たされたよなぁ。あ、あとお尻ぺんぺん。親父にやられた。それ以外だったら……庭の木に一晩くくりつけられるとか?昔、何かの漫画で読んだような読まなかったような。
「き、木にしばりつけるのだけは、やめてくれっ!」
「……どんな想像してるんだよ。そんなことしないよ。罰はね、もう二度とこんなことしたくなくなるようなものじゃなきゃ意味がないんだ」
眼鏡の奥の瞳を光らせてそんな風に言われたら、兄さんどう反応していいのかわからないよ。
だいだい、二度悪さをしたくなくなるようなお仕置きって、いったいなんですか。
今から自分に襲いかかる不幸を思って、俺は頭がくらくらしてくる。
「さ、兄さん。覚悟を決めて。お仕置きしてくださいっていって」
「な、なんで俺がそんなこといわなきゃなんねぇんだよ!」
恐怖に身をすくませて俺が怒鳴ると雪男の周囲の空気が一度下がった。途端、息をするのが少し苦しくなったような気がした。酸素濃度も下げられるってどんな能力だ、雪男。
どうやら本格的に雪男は怒っているらしい。雪男をキレさしたら、ごまかすか、放っておくかどちらかしかなくて、だいたいどちらにしても八割の確率でさらにキレまくられる。それこそ恐怖だ。
「――兄さん、言って」
最後の一押し、というか最後通告というように放たれた言葉に俺はがくりと頭を垂れた。
「……お仕置き、してください」
「……なんで、こんなことなってんだよ……」
もう、俺は泣きたい気分だった。いや実際ほとんど泣いているといってもいい状態だった。
はじめはきっと、説教か折檻なんだろうなぁと怯えていたわけだが、次第に方向性が違うということがバカな俺にもわかってきた。雪男はどうやら、『そういうお仕置き』をしようとしているらしい。
「……んぅ…あっ……あっ」
服は当の昔に脱がされた。
そして、俺を真っ裸にして(そして、自分は服を着たまま)雪男は実にいろんなことを俺にしかけてくる。
「これ……なん…の、おしおき……なんだよぉ」
声がもう、自分のものではないようだ。甘く、ねだるような自分の声にウソだろ、頭の片隅で思うが、次に口から漏れるのはもっと吐息の混じった喘ぎ声に近い声だった。
「ゆ……きぃお……そこ、だめ……あっ」
今は雪男に胸の突起をしゃぶられている。この場合、舐められているのではなく、まさしくしゃぶられているという表現が正しい。
わざとなのか、そうでないのか知らないけど、雪男が胸元に吸い付くたびに、そこがちゅぱちゅぱと音を立てる。その熱心さは赤ん坊が母親の乳を飲む姿を彷彿とさせたが、赤ん坊はそんな音をさせて飲まない。
ちなみに、俺、おまえの母親じゃねーし。
「いやだ……って……なぁ……もぉ」
突起をいじられているだけで、ずきずきと下半身が疼いた。何かにすりつけたくて、シーツの上で腰をもぞもぞと動かす。それでも雪男が顔を上げないので、俺は無意識に尻尾で雪男の頭をぺちぺちと叩いた。さすがにうっとうしかったのか、行為をいったん止めた雪男は俺を見下ろして溜息をついた。
「本当に兄さんは我慢がきかないなぁ。だから悪さしちゃうんだよ。我慢する練習しなきゃ」
「こん…なんっで…我慢の、練習なんてしたくねぇ……よぉ」
「なにいってるの、これこそ一番の我慢の練習じゃない」
そういって、雪男はすっと手を下半身に滑らせて、俺の性器をぎゅっと握った。
「んぁ…あっ」
「ほら、これも。すごいよね、もうとろっとろ。触ってないのにこんなに勃たせちゃって。ねえ、触らずにイケるかためしてみる?」
雪男は俺のを握っていた手をぱっと放して、その手を再び胸元に戻した。きゅっと痛いくらいに乳首をつままれて、俺は鋭い悲鳴を上げた。
「い…やだぁ…ゆ、きおぉ……そこ、ちがっ」
欲しかった刺激が失われて、勃起した性器が尚のこと張り詰める。敏感になった身体は胸元の刺激だけでたまらないほどの快楽を感じた。でも、昇りつめるには何かが足りない。
「ゆきおぉ……あっ……ゆきおっ」
自分で触ってこすってイッてしまうことだってできたのだけど、そんなことをしたらこれはお仕置きにはならないわけだし、きっと雪男は許してくれないだろうと思ったから、ぐっとそれを我慢した。
そうすると、もう、この状況を脱するためには雪男にお願いするしかなくて、兄貴の威厳とかプライドとか、日頃俺が必死に守ろうとしているものをかなぐり捨てて雪男の名前を呼ぶしかない。
「兄さん、いつもそうだと、ホントかわいいのに」
雪男はちょっと満足そうに笑って、俺の頬にちゅっとキスをした。
でも、俺が欲しいのはそんなもんじゃない。もう、身体は限界で、イかせてくれるなら、悪魔とでも契約してもいい気分だった。
「ゆきお…なぁ…もう…はや……くっ」
「兄さん、もっとちゃんと言って。ちゃんとお願いしてくれなきゃわかんないよ」
「さわって……俺の……さわって…」
「どこ、さわってほしいの?」
「俺の……した……これ、さわって。勃ってるの、さわってくれよぉ」
もう、自分が何をいってるのかよくわからないくらい、頭の中はとろとろに溶けていて、正気だったら言えないような言葉がするすると出てくる。
「もう、しかたないな。今日だけだよ」
雪男がひそやかな笑い声と共に、望みのものをくれる。
「あっ……あっ……」
「どう、兄さん?気持ちいい?」
ぎゅ、ぎゅっと強弱をつけてしごきあげる。感じるところをさぐりながら、時折指先で裏の筋やくびれをこする。そのたびに俺は雪男の腕にすがりつきながら声を上げた。
「いっ……きもち……いいっ……」
「そ、よかった」
先ほどとは違い雪男は俺に我慢をさせるつもりがないのか、ちゃんとイかせるために手を激しく動かしてくれる。
俺はそれがうれしくて、涙を流して首を振る。雪男はやっぱりやさしい。お仕置きといっても最後は俺のいいようにしてくれる。
「いっ……いくっ……ゆ…きっ」
「いいよ、イって」
「んっ……ああああっ」
雪男に許可をもらって、雪男の手の中に白濁をまきちらす。頭がまっしろになって、びくびくと身体が痙攣する。その俺を、雪男が愛おしそうにぎゅっと抱きしめてくれる。
「はぁ……」
絶頂の後の余韻をひきずって、俺は吐息を漏らす。そんな俺の頭を雪男がやさしく撫ぜる。
俺はしばし、非常な満足感をもって雪男の手に身を委ねていた。
なんだか終わってしまうとお仕置きだったはずだったのに、すごく気持ちよかっただけのような。
「はい、兄さん。ご苦労さま。お仕置きはおしまい」
しばらくして、ぱっと雪男が手を放す。
「おしまい……なのか?」
俺はなんだか、ちょっと物足りないような、安心したような気分になって、中途半端な返答をした。
「うん。お仕置きはね」
雪男は意味ありげに笑って、すくっと立ち上がる。何事かと思って、俺が唖然とそれを見守っていると、雪男はいそいそと自らの服を脱ぎ始めた。
「じゃあ、これからはご褒美の時間だよ」
服をすべて脱ぎ終わった後、雪男はベッドに無防備に寝転がった俺に向かって、にこりと笑ってそういったのだった。
***
これからが、本当のおしおきですよ!
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