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【雪燐】続・妄想レクチャー【R18】

『妄想レクチャー』の続きです。

いろいろ妄想レクチャーした側の兄さんがぐるぐるする話です。だんだん兄さんがアホの子だっていう擁護ができなくなってきたという・・・・・・。

R18なのでお気をつけください。


 ひとりといっぴき、それぞれの小さな寝息が響く深夜、燐はベッドの中でもぞもぞと身体を動かし、五度目の寝返りをうったところで、ゆっくりと身を起こした。
(ちくしょ、ねれねぇ・・・・・・)
 一度眠りについたら大概目を覚まさない燐なのに、今晩はどうしてか、すっかり目が覚めてしまっている。
(あー、変な夢みた)
 あれを変な夢、というのなら確かにそうなのだが、思春期にありがちな夢と言えばありがちな、性的な夢だった。
 とはいえ、目覚めてそれを思い出そうとすると、よくあることだがその具体的な内容は思い出せない。ただ、いやらしい夢をみたという事実だけがぼんやりと残り、妙に身体を疼かせていた。
(まあ、別にどんな夢だっていいけどさ。これ、どうすんだよ)
 燐は上掛けの中で手を動かし下半身を確認する。手で触るとそこはしっかりと存在を主張していて、ほっとけば収まるという段階はとっくの昔に過ぎていた。
(だからって、ここでやってもなぁ)
 燐はちらりと視線をやって、部屋の反対側のベッドで穏やかな寝息を漏らしている弟を見た。
 別に弟に気づかれないように息を潜めてこのままベッドの中で自慰をしてもいいのだが、そうすると出してしまった後の始末がめんどくさそうだった。
(しゃーねぇな。トイレでも行くか)
 むくりと起き上がり、音を立てないようにベッドから降りる。ベッドの上で丸まっていたクロが何事だというようにこちらに顔をむけるので、燐はしぃーっと人差し指を口元に当ててから、そのまま寝てろと頭をひと撫ぜした。
 ぬきあしさしあしで、扉へと向かう。その途中、暗闇の中で一瞬雪男の顔を盗み見る。大丈夫、しっかり寝ている。穏やかな寝顔にほっとして、燐は部屋から出た。
 人気のない旧男子寮の廊下を足早に歩いて、部屋から一番遠いトイレの個室に入り込む。バタンと扉を閉めて、便器の蓋の上に腰を下ろすが、スウェットの中に手をいれたところで、なんだか急にむなしさを覚えて手を止めた。
「なんだかなぁ・・・・・・」
 ちょっと前まではオナニーをしよう、と心に決めたら、あっという間、時と場所が許せばすぐに一物を擦り上げて射精することだって可能であったのに、どういうわけか最近それがうまくいかない。
 燐は眉を顰めてじっと勃ちあがったものを見下ろした。これがしゅんと小さくなってくれれば、大人しくベッドに戻って途中になっていた睡眠を再開するのだが。
「・・・・・・しかたない、か」
 15歳にとって下半身は自分の意志とはまったく別の生き物だ。こうなったらさっさということ聞かせて寝ちまおうと心に決めて、燐はペニスに手を握って擦り上げた。
「・・・・・・んっ・・・っ」
 刺激を与えれば、それなりに反応する。硬くなったそれの先っぽをいじれば、じんと腰に響き、それなりの快楽を伝えてくる。けれど、決定打にはならない。
「・・・っ、たんねぇ・・・・・・んだよっ」
 直接的な刺激だけでは、どうしても物足りなさがある。燐は無意識にTシャツを捲り上げると、手のひらで素肌を撫で回した。
「あっ」
 偶然、手のひらが胸の突起を刺激する。びりっとした疼きが身体を走り抜けて、燐はびくりと全身を揺らした。
 足りなかったものが何かようやくわかって、燐の手は胸のあたりを重点的にまさぐる。
「アッ、いっ・・・・・・」
 だんだん大胆になってきて、燐はぐりぐりと乳首をいじった。
「や、もっと」
 乳首をいじるのとは逆の手で燐はペニスを擦り上げる。先走りの液が手をぬらし、ぐちゃぐちゃと濡れた音を響かせる。
「ん、あっ、あっ」
 終わりが近い。目の裏がチカチカしてきて、揺れる腰の動きに便器ががたがたと音を立てた。
「いいっ・・・・・・ああっ、ゆきっおっ」
 燐が叫ぶと、手の中に白濁がどっと吐き出された。がくりと力が抜けて、燐は個室の壁に寄りかかる。はぁーと深い息をついて、どくどくと早鐘をうつ心臓を静めた後、ぼんやりとした頭で、燐は最後に叫んだ言葉を思い出した。
「・・・・・・え?」
 どきり、と胸が別の意味で音を立てる。
「今……俺」
 手のひらの汚れを呆然と見下ろす。
「・・・・・・最後・・・雪男の名前、呼んだの、か?」
 気づいたら、頭を殴られたような衝撃が燐を襲った。え、なんで、どういうこと、と頭の中で疑問符がめぐり、思わずわーっと声を上げる。
「なんで、雪男の名前呼んでイっちゃうんだよ!」
 わけがわからない。普通、こういうときに叫ぶのは頭の中で想像していた(架空の)彼女の名前だとかそんなもののはずで、実の弟の名前呼んで射精をするなんて聞いたことがない。
 燐は頭を冷やそうと急いでトイレの個室から出ると、手洗い場で手を洗うついでに頭も突っ込んだ。冷たい水を頭から被る。しばらく頭を冷やすこと数分。燐にぴんと新たな考えが浮かぶ。
「そうか、わかったぞ!あれのせいだ!」
 燐はようやく雪男の名前を呼んだ原因を思いついて、明るい顔でうなずいた。
「雪男にレクチャーしてやった、あれのせいだよな、きっと」
 それは、ちょっと前の出来事だ。燐が雪男に隠れてエロ本を読んでいるのが見つかって、その後どんな話の流れだか、雪男が自慰をする時の妄想レクチャーをしてやることになったのだ。
 結局、どう妄想するかのレクチャーではなくて雪男に燐の自慰を披露する形になったその時のことを、燐は兄としてのプライドを保つために忘却の彼方へと追いやってしまっていたのだが、あの時雪男にやられた、あれやこれやを身体は覚えていたのだろう。
「あんなのやられたんだから、身体が自然と反応しちゃうのは、しょうがねーよな」
 燐は笑顔で明るく言った。あえて、明るく自分に言い聞かせた。手洗い場にある鏡に向かってにっこり笑って、平気平気、普通普通と繰り返す。
「そーだよな、一度の経験とはいえさぁ、あんな風に触られて、喘いでさ、いかされたんじゃ、イク時に弟の名前呼んじゃってもしかたないよなー」
 なーっと小首をかしげながら、鏡の中の自分に微笑む。が。
「・・・・・・・・・・・・」
 その微笑も、次第にひきつって、とうとう限界がやってくる。
「んなわけ、ねーだろ!」
 燐は大声で自分へのつっこみをいれる。そして、ばん、と鏡に両手をつくと、先ほどまでの自分に対して、青筋を立てて怒鳴りだした。
「よく考えてみろ!雪男は弟だろ?どんだけ、雪男の指でいじられたのが気持ちよかったとしても、雪男の指の感触思い出しながら乳首いじって、ちんこ触って、イっちまうなんて変だろ!?」
 多分、同期の塾生たちがこの場にいれば、燐の主張は決して間違ってないと後押ししてくれただろう(その前に引かれて相手にされない可能性はあるが)。
 しかし、現在は夜更けの旧男子寮、誰の援護も慰めもないわけで、燐はこの虚しいボケとツッコミを己でこなすしかない状態である。
「ぜってぇへんだよな・・・・・・ありえねぇって」
 自問自答している間になんだか悲しくなってきてしまった燐は、出すものを出してすっきりしたはずなのに、虚しさを抱えたままとぼとぼと部屋の方へと歩き出した。
「でも、雪男はあの時ちゃんとためになったっていってたし、感謝もしてたし、俺、悪いことは別に何もしてないよな?」
 燐は今度は自分を擁護するようなことをつぶやきはじめた。基本落ち込むことは苦手なので、なんとかいい理由をみつけようと必死になる。
「また教えて欲しいっていってたくらいだし・・・・・・」
 燐はその際、雪男が話していたことを思い出す。そして、ついでにその時に雪男にされたことも思い出す。
「って、また教えて欲しいっていわれたら、俺、どうすんの・・・・・・」
 兄ちゃんとしては、できるだけ弟に教えを請われたら指導してやりたい。そもそも燐が雪男に優位に立てることなどめったにないのだ。こういう貴重な機会を逃す手はない。
 だが、またああいう状況になった時に、自分がどんなことを言い出すかまったく想像もつかないのだ。雪男のあの指が、また、あんな風に自分を触ってきたら・・・・・・どうなるかわからない。
 はぁ、と盛大なため息をついて、燐はようやくたどり着いた自室の扉を開けた。
 その時――
「兄さん、遅かったね」
「っ!雪男!」
 暗闇の中から声が聞え、次の瞬間ぱっと部屋の電気がつけられた。
 雪男はてっきり寝ていると思っていたので、驚きで仰け反っていると、入口の壁に腕を組みながら寄りかかっていた雪男が燐の方へと近寄ってくる。
「ずいぶんと遅かったね」
 眼鏡を押し上げて、心持ち含み笑いをしている雪男はなんだかずいぶんと機嫌がよさそうだった。
 燐はまだ驚き冷め遣らぬまま、どぎまぎと答える。
「ト、トイレにいってたんだよ」
「ただの用足しなら、こんなにかからないでしょ?」
 雪男はそういって、わずかに屈んで燐の首筋をくんと嗅いだ。燐は先ほどの件もあって、できるだけ雪男と距離をとっていたい気分になって、あとずさる。
「用足し以外にトイレで何すんだよ」
 後ろめたさもあって、返す言葉がぶっきらぼうになる。今はなるべく雪男とは接触したくなかった。雪男の目線、声、匂いすべてに反応してしまいそうだった。それをぐっと抑えて、燐が雪男を避けるように自分のベットへ向かおうとすると、雪男の大きな身体にそれを遮られた。
「っんだよ」
「別に隠さなくたっていいじゃない。オナニーしてきたんでしょ」
 あいかわらずあっさりと、顔を洗ってきたんでしょ、とか水飲んできたんでしょとかいうような調子で雪男は言う。
 だが燐の方と言えば、図星を指され、顔を真っ赤にして、あまりにもあっさりといわれるから否定のしようもなく、ぱくぱくと口を開けるしかない。
「いいんじゃないの?この間も言ったでしょ?身体には悪いことじゃないんだから。けど、あんまり遅いからトイレで寝てるんじゃないかって心配になっただけだよ」
 そういうと雪男は確認が取れて満足したという風に、身を引くと自分のベッドに向かって踵を返す。なので、燐は思わず、雪男呼び止めた。
「ちょっと待てよ」
「何?」
「何って・・・・・・」
 いや、普通この話の流れだったら、もっとからかうとか、いろいろあるだろ?男同士で、こんな時間だしちょっと猥談みたいなこと話したっていいだろ?
「もっと、さあ、お前、なんかいうことないの?」
「別に・・・・・・もう遅いから寝ようとしか・・・」
「じゃなくて、俺が、オナニーしてきたんだから、もっと、さぁ!」
「なんだよ。気持ちよかった?とかそういうこと聞いてほしいの?兄さんは」
 どうでもいいといった感じで雪男は興味なさげにため息をつく。燐は雪男のその態度にむっとして、思わず言い返さずにはいられなかった。
「ああ、そういうことだよ!オナニーしたのかって、人にそんな恥ずかしいこと聞いておいて、答えりゃ、はい、それだけってお前には配慮ってもんがねぇのかよ!」
「あーあー、うるさいなぁ、もう。わかったよ。それで?気持ちよかったの?」
 雪男はわがままな兄にしょうがなくつきあってやっているという態度で、投げやりに尋ねてくる。
 こっちはさっきまで散々雪男のことを考えていろいろ悩んでいたのにと、燐は自分と弟のギャップに頭の血管が二三本切れるのを感じ、大声で言い返した。
「ああ、気持ちよかったよ!どうだ、羨ましいか!」
「どうだって言われても・・・・・・」
 雪男の態度が引き気味であることを感じ、燐はますます腹が立ってきて止まらなくなった。
「夜中だし、個室だし、お前はいないから気にせずに声だってだせるし」
「声、出したんだ・・・・・・」
「声どころじゃねぇし。手だってぐちゃぐちゃになるぐらいいっぱい出したし」
「いっぱい・・・・・・」
「気持ちよかった上に、最後はお前の名前呼んでイってやったんだからな!」
「えっ・・・・・・僕の名前?」
 目を大きく広げて雪男が見下ろしてくる。あまりにも大きな目だったので、燐の方がびっくりして、考えるよりも先に動いていた口を両手で覆った。
 そして、雪男の顔をみつめながら、燐はもう一度自分の叫んでいた話を思い出し、かっと顔を赤らめた。
「兄さん・・・・・・今の・・・・・・」
「ち、違う、今のなし!今の、間違えた、違う、違うから!」
「イク時、僕の名前、呼んだの?」
「違うって言ってるだろ!」
 燐は泣きたい気分になった。なんでいつもいつもこういう失敗を自分は犯すんだか。
 だが、覆水盆に帰らずとはよく言ったもので、一度口から出た言葉は元に戻すことはできない。
 燐は涙目で雪男を見上げる。雪男はじっと燐の顔をみつめてくる。燐としては、一瞬が永遠のように長い時間に感じられた。
 なじるならなじれ、軽蔑するなら軽蔑しろ、そんな思いで目をつぶる。すると、しばらく間があった後、ぽんと頭を撫でられる感触がしたので、燐は恐る恐る瞼を開けた。
 うっすら開けた瞼の隙間から優しく微笑んでいる雪男の姿が見える。燐はふっと気持ちが軽くなったのを感じて、瞬きをした後、雪男をみつめ返した。
「兄さん、僕の名前呼んで、それで気持ちよかったの」
「・・・・・・う、うん」
 燐が恥ずかしそうに目を逸らすと、雪男はそう、とうなずいてもう一度ぽんと燐の頭に手を乗せた。
「やってるとき、僕の触ったやり方、思い出した?」
「・・・・・・・・・思い、だしてた・・・と思う」
 やってる最中は夢中で気づかなかったが、多分あれは雪男のやり方をなぞっていたんだろう。
 燐がうなずくと、雪男も満足げにうなずく。なぜだか、怒られもせずに許してもらえたことに燐の気分は浮上して、自然と表情が明るくなった。
「俺、お前が怒るかと思って」
「なんで、怒るのさ。気持ちよかったのならそれでいいじゃない」
 雪男はなんでもないように笑う。え、そうなのか?と燐は目を丸くしてさらに尋ねた。
「じゃ、じゃあ、これからも俺がお前のこと思い出してやっても、お前はいいのかよ」
「いいよ。気持ちいいためにしてるんだから、僕のこと思い出してもっと気持ちよくなるんだったら、どんどん思い出せばいいよ」
 雪男は普段の態度から想像できないほど寛容だった。燐は嬉しくなってきて、破顔する。
「そっか!わりぃな、雪男」
 本人からの承諾も得られたということは、これからは心置きなく雪男のことを考えながら一人エッチができるということだ。
 それは多分今までやっていたエロ本を使うオナニーよりもずっと気持ちいいんだろうなと燐は思った。今日もあれだけ盛り上がったのだ。やはり、リアルな記憶は二次元のネタよりもよっぽどいいネタになる。燐はこれからの一人エッチライフがとても明るいもののように思えて、ご機嫌になりながら、雪男の肩を叩いた。
「あ、俺だけお前のこと考えてたらわりぃから、お前もやる時俺のこと考えてもいいんだからな!」
 にっこり燐が笑っていうと、雪男は燐に負けないほどの笑顔で答えた。
「ありがとう、兄さん。実は今までも兄さんのこと考えながらやらせてもらってたんだ。兄さんの許可がもらえてうれしいよ」
「そっかー、じゃあ、おあいこだな」
 実は恐ろしい内容を弟に告白されているにもかかわらず、気分のよくなった燐はそれを右から左へと聞き流し、へへへっと笑いながら、燐は雪男におやすみを告げて、自分の寝床に入った。
 夜明けまであとわずかだが、残りの睡眠はいい夢がみられそうだなと思いながら。

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プロフィール

HN:
如月 ちょこ
性別:
女性
自己紹介:
■ 青の祓魔師二次創作
 テキストサイト。腐向け。
■ 雪燐中心です。
   藤メフィもあります。
■ 書店委託開始しました。
   詳細はofflineで。

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